外を歩いているとき、カラスから「アワアワ」「アワワ」という不思議な声が聞こえてきたことはありませんか?
カラスといえば「カー、カー」と鳴くイメージが強いため、いつもと違う声を耳にすると、
「今の鳴き声にはどんな意味があるの?」
「怒っているのかな?」
「変な声だけれど大丈夫?」
と、少し気になってしまいますよね。
実は、カラスは「カー、カー」以外にもさまざまな声を出します。
「ガーガー」「カッカッ」「グワッ」など、鳴き方にはいろいろなバリエーションがあり、人によっては「アワアワ」「グルグル」「カラカラ」のように聞こえることもあります。
ただし、ここで覚えておきたいのが、鳴き声だけを聞いて「これは必ず○○という意味」と判断するのは難しいということです。
カラスの種類や周囲の状況、そのときの行動なども一緒に見ることが大切です。
この記事では、「アワアワ」という不思議な鳴き声を中心に、カラスの変わった声や種類による違い、警戒しているときのサインまで、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
カラスが「アワアワ・アワワ」と鳴くのはなぜ?

カラスから「アワアワ」「アワワ」のような声が聞こえてくると、「いつもの鳴き方と違う」と感じるかもしれません。
しかし、カラスはもともと多様な声を出す鳥です。
そのため、人間には「アワアワ」のように聞こえる声があっても、それだけで異常とはいえません。
「アワアワ」と聞こえる変わった声を出すことはある
カラスの鳴き方は、いつも同じではありません。
声を短く切ったり、長く伸ばしたり、濁ったような声を出したりすることがあります。
そのため、一般的な「カー」という鳴き声とは違う声が、
- 「アワアワ」
- 「アワァ」
- 「クワァ」
- 「グワァ」
などと聞こえることがあります。
そもそも「アワアワ」などの擬音は、人間が聞こえた音を文字で表現したものです。
同じ鳴き声を聞いても、ある人には「アワワ」、別の人には「クワワ」のように聞こえることもあるでしょう。
「アワアワ=○○」と意味を一つに決めない
インターネットでカラスの鳴き声について調べると、
- 「求愛している」
- 「エサをねだっている」
- 「機嫌がいい」
など、鳴き声と意味を一対一で紹介している情報を見かけることがあります。
しかし、「アワアワ」という人間による擬音だけから、カラスの感情や目的を一つに特定するのは慎重に考えたほうがよいでしょう。
ポイント
「アワアワと鳴いたから必ず求愛している」といった判断はしないことが大切です。
鳴き声そのものより、そのときカラスが何をしているのか、周囲に何があるのかにも注目してみましょう。
鳴いているときの状況も一緒に確認しよう
気になる鳴き声を聞いたら、安全な距離からカラスの様子を見てみると、状況を考えるヒントになります。
- 1羽だけで鳴いている
- 複数のカラスが鳴き合っている
- 人のほうを見ながら鳴いている
- 同じ場所から何度も鳴いている
- 頭上を飛び回っている
特に、人を気にしながら激しく鳴いていたり、頭上を何度も飛んだりしている場合には、近くに巣やヒナがいる可能性も考えて距離を取るようにしましょう。
「グルグル」「カラカラ」など変な鳴き声はおかしい?

カラスをよく観察していると、「カー」以外にも変わった音を耳にすることがあります。
「グルグル」「クークー」「カラカラ」「カチカチ」などと表現されることもあります。
いつもの声とはまったく違って聞こえるので、驚く方もいるでしょう。
「グルグル」「クークー」と聞こえる声
カラスが出す低い声や、喉の奥から出ているように聞こえる音を「グルグル」「クークー」と表現する人もいます。
ただし、
「グルグル=愛情表現」
「グルグル=機嫌がいい」
などと、擬音だけから意味を決めつけるのは避けたほうがよいでしょう。
気になる場合は、カラスが仲間と一緒にいるのか、周囲を警戒しているのかなど、そのときの状況も見てみてください。
「カラカラ」「カチカチ」と聞こえる音
「カラカラ」「カチカチ」のような音を聞いたというケースもあります。
こうした音についても、人間の耳にどう聞こえたかだけでは、その意味や音の出し方まで正確に判断するのは難しいものです。
「カラカラと鳴いたから○○している」と単純に結びつけないようにしましょう。
「アホー」「グワッ」など人によって聞こえ方は違う
カラスの声は、「アホー」「グワッ」「クワッ」などと表現されることもあります。
面白いのは、同じような鳴き声でも人によって表現が違うことです。
ある人には「グワッ」と聞こえても、別の人には「アワッ」と聞こえるかもしれません。
そのため、自分が聞いた音とまったく同じ擬音がネット上で見つからなくても、それほど不思議ではありません。
変わった声だからといって異常とは限らない
「いつものカーカーと違うから、病気なのかな?」と心配になる方もいるでしょう。
しかし、カラスはさまざまな発声をします。
変わった声を出したという理由だけで、病気や異常だと判断することはできません。
鳴き声だけではなく、飛び方や動きなども含めて考える必要があります。
よく聞くカラスの鳴き声と考えられる状況
ここからは、私たちの身近な場所でも聞くことがある代表的な声を見ていきましょう。
ただし、こちらも「この鳴き声なら必ずこの意味」という一覧ではありません。
声の特徴を知るための目安として参考にしてください。
「カー、カー」と澄んだ声
カラスと聞いて多くの方が思い浮かべるのが、「カー、カー」という鳴き声ではないでしょうか。
特にハシブトガラスでは、比較的澄んだ「カーカー」という声が特徴の一つとされています。
街中などで聞くことも多い声です。
「ガー、ガー」と濁った声
「カー」より濁った「ガー、ガー」という声もあります。
ハシボソガラスでは、こうした濁った声が特徴の一つとされています。
ただし、カラスは状況によって異なる声を出すことがあるため、声だけで種類を完全に判断できるとは限りません。
「カッカッカッ」と短く鳴く声
「カッ、カッ、カッ」と短く繰り返す声には、少し注意してみましょう。
自治体では、カラスが巣に近づいた人を警戒するとき、「カッカッカッカ」と鳴くことがあると案内しています。
注意したいサイン
「カッカッ」と鳴きながらこちらを見たり、頭上を飛び回ったりしている場合は、近くに巣やヒナがいる可能性があります。無理に近づかないようにしましょう。
「グワッ・クワッ」と聞こえる声
「グワッ」「クワッ」のような短い声を耳にすることもあります。
普段イメージする「カー」とはかなり違うため、「別の鳥かな?」と思うかもしれません。
こちらについても、音だけから意味を一つに決めるのではなく、周囲の状況と合わせて考えるのがおすすめです。
同じカラスでもさまざまな声を出す
カラスの鳴き声にはいろいろなバリエーションがあります。
さらに、声の高さや長さ、濁り方などによって、私たちにはまったく違った音として聞こえることがあります。
「カラスはカーカーとしか鳴かない」と思わなくて大丈夫です。
鳴き声からハシブトガラスとハシボソガラスを見分けられる?

日本で身近に見られる代表的なカラスとして、ハシブトガラスとハシボソガラスがいます。
どちらも黒い姿をしているため、一見すると区別しにくいですよね。
実は、鳴き声や見た目、鳴くときの姿勢などに違いがあります。
ハシブトガラスは澄んだ「カーカー」が特徴
ハシブトガラスは、比較的澄んだ「カー、カー」という声が特徴です。
名前のとおり、くちばしが太く、額が盛り上がったように見えるのも特徴です。
鳴くときは、体を大きく振るわせず、頭を前へ突き出し、喉を膨らませるような姿が見られます。
ハシボソガラスは濁った「ガーガー」が特徴
ハシボソガラスは、「ガー、ガー」と濁った声が特徴とされています。
ハシブトガラスに比べるとくちばしが細く、額からくちばしにかけてのラインもなだらかです。
鳴くときには体を振るわせ、頭や尾を下げるような動きをすることがあります。
声だけでわからないときは姿もチェック
見分けたい場合は、鳴き声だけでなく、
- くちばしの太さ
- 額の形
- 鳴くときの姿勢
- 体の動かし方
などにも注目してみましょう。
「鳴き声+見た目+姿勢」を合わせると、判断するヒントが増えます。
鳴き声だけで種類を決めつけないことも大切
基本的な鳴き声には違いがありますが、「カーと鳴いたから絶対にハシブトガラス」と決めつけるのは避けましょう。
鳴き声は、種類を見分けるための一つのヒントとして考えるのがおすすめです。
カラスが何度も鳴くのはなぜ?鳴く回数に意味はある?
「カラスが3回鳴いた」
「何度も続けて鳴いているけれど、何か意味があるの?」
と気になることもありますよね。
インターネットでは、鳴いた回数ごとに意味を紹介している情報も見かけます。
仲間への呼びかけや警戒などさまざまな状況がある
カラスが何度も鳴く背景には、仲間とのコミュニケーションや周囲への警戒など、さまざまな状況が考えられます。
何度も鳴いているからといって、すぐに「悪いことが起きるサイン」と考える必要はありません。
「○回鳴いたら○○」と単純には判断できない
ネット上では、「○回なら挨拶」「○回なら警戒」などの情報を見かけることがあります。
鳴いた回数だけをもとに、意味を単純に決めつけるのは避けたほうがよいでしょう。
カラスの鳴き方は周囲の状況などによっても変わります。
回数より周囲の状況や行動を見てみよう
「何回鳴いたか」だけを数えるより、
- こちらを見ているか
- 何羽くらいいるか
- 同じ場所にとどまっているか
- 頭上を飛び回っていないか
なども確認してみましょう。
特にカラスがこちらを強く意識しているようなら、少し距離を取ると安心です。
「カッカッ」と鳴いていたら注意!カラスが警戒しているサイン

カラスの鳴き声の中で、知っておくと役立つのが警戒しているときの声です。
自治体では、巣に近づいた人に対して高い場所から様子をうかがい、「カッカッカッカ」と鳴くことがあると紹介されています。
人の近くで小刻みに鳴くときは周囲を確認
「カッカッカッ」と小刻みに鳴きながら、こちらを気にしている場合は注意しましょう。
近くに巣がある可能性も考えられます。
こちらには巣が見えていなくても、木の高い位置などにあるかもしれません。
頭上を飛び回るなどの行動にも注意
警戒が強くなると、人の近くを飛ぶなどの威嚇行動が見られる場合があります。
そのような様子があれば、「何があるのか見てみよう」と近づくのではなく、その場から離れましょう。
近くに巣やヒナがいる可能性も考えよう
親ガラスにとって、巣やヒナに近づく存在は警戒の対象になることがあります。
特に繁殖・子育ての時期には注意が必要です。
カラスが自分を気にしながら激しく鳴いているときは、巣やヒナが近くにいるかもしれないと考えて距離を取りましょう。
春から夏はカラスの鳴き声や行動に注意しよう
カラスの行動を考えるときには「季節」も大切なポイントです。
特に春から夏にかけては、繁殖や子育ての時期と重なるため、親鳥が警戒することがあります。
繁殖・子育ての時期は警戒心が強くなることがある
農研機構では、4~6月頃を抱卵・育雛・巣立ちの時期として紹介しています。
自治体によっては、繁殖期を4月頃から7月頃までの目安として案内しているところもあります。
地域や個体によって時期には違いがあるため、
「春から夏にかけては少し注意する」
くらいに覚えておくとよいでしょう。
巣立ったばかりのヒナを見つけても近づきすぎない
地面や低い場所に若いカラスがいると、
「巣から落ちたのかな?」
「助けてあげたほうがいい?」
と心配になりますよね。
しかし、巣立ったばかりのヒナの場合は、近くに親鳥がいて見守っていることがあります。
不用意に近づいたり、触ろうとしたりしないようにしましょう。
親ガラスが激しく鳴いている場所では距離を取る
親鳥がこちらを気にして何度も鳴いている場合は、無理に観察を続けず、その場所から離れるのがおすすめです。
巣を探そうとして近づく必要もありません。
カラスとの距離を広げることを優先しましょう。
カラスに威嚇されたときはどうすればいい?

突然カラスが頭上を飛んできたら、怖く感じてしまいますよね。
そんなときは、追い払おうとするよりも、カラスとの距離を取ることを優先しましょう。
できるだけ巣やヒナから離れる
巣やヒナを守るために警戒している場合、その場所から離れることが大切です。
「巣がどこにあるのか確認したい」と探し回ると、かえって近づいてしまう可能性があります。
静かに離れましょう。
迂回できる場合は別の道を通る
通勤や買い物などで毎日通る場所でも、繁殖期だけカラスが警戒するケースがあります。
可能であれば、しばらく別の道を利用するのも一つの方法です。
必要に応じて帽子や傘で頭を守る
どうしてもその場所を通る必要がある場合は、帽子をかぶったり傘をさしたりして頭を守る方法もあります。
自治体でも、威嚇するカラスへの対策として紹介されている方法です。
追い払ったり刺激したりしない
怖いからといって、
- 石を投げる
- 棒を振り回す
- 巣へ近づく
といった行動は避けましょう。
カラスを刺激せず、静かにその場を離れることが大切です。
カラスの鳴き声が気になったときの観察ポイント
「さっき聞いたアワアワという声は何だったんだろう?」
そんなときは、鳴き声だけで答えを出そうとせず、周囲の状況を確認してみましょう。
1羽か複数か確認する
まずは何羽くらいいるのかを見てみます。
1羽で鳴いているのか、何羽かが互いに声を出しているのかによっても状況は違います。
鳴きながら何をしているかを見る
安全な距離から、
- 木に止まっている
- 仲間を見ている
- 人を見ている
- 飛び回っている
などの様子を確認してみましょう。
ただし、観察するために近づく必要はありません。
こちらを見たり頭上を飛んだりしていないか確認する
カラスがこちらを強く意識している場合は注意してください。
特に、鳴きながら何度も頭上を飛んでいるようなら、無理にその場所にとどまらず離れましょう。
近くに巣やヒナがいないか注意する
春から夏にかけては、近くに巣や巣立ったヒナがいる可能性があります。
ただし、「確認しよう」と探しに行く必要はありません。
「近くにいるかもしれない」と考えて距離を取るだけで十分です。
観察するときも十分な距離を取る
カラスの鳴き声はとても興味深いものですが、近くまで行く必要はありません。
「今日はいつもと違う声だな」
「何羽かで鳴き合っているな」
と、離れたところから観察するくらいがおすすめです。
カラスの変わった鳴き声についてよくある疑問
最後に、カラスの鳴き声について気になりやすい疑問をまとめました。
変な鳴き声を出しているカラスは病気?
「アワアワ」「グルグル」など、普段イメージしている「カー」と違う声を出したという理由だけで病気だと判断することはできません。
カラスにはさまざまな発声があります。
変わった声だけで心配しすぎず、動きなども含めて考えましょう。
夜中にカラスが鳴くことはある?
カラスは基本的には日中に活動し、夜はねぐらで休む鳥です。
そのため、夜中に「クワッ」「カー」のような声が聞こえても、必ずしもカラスとは限りません。
たとえば、ゴイサギという鳥は夜間にも活動し、「クワッ」とカラスに似た声を出すことで知られています。
夜に聞こえた鳴き声だけで「カラスが異常な行動をしている」と判断しないようにしましょう。
カラスの鳴き声は地震の前兆?
「カラスが騒ぐと地震が来る」といった話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
「カラスが特定の鳴き方をしたから、いつ・どこで地震が起きる」と判断できる確立された方法はありません。
変わった鳴き声を聞いても、それだけを地震の予兆として受け取らないようにしましょう。
地震への備えについては、カラスの行動ではなく、気象庁など公的機関から発表される情報を確認することが大切です。
カラスは人の声をまねすることがある?
カラス類にはさまざまな音を学習する能力があり、人が「人の声みたい」と感じるような音を出すことがあります。
ただし、屋外で一度変わった声を聞いただけでは、本当に人の声をまねしているのかどうか判断するのは難しいでしょう。
カラスの鳴き声に地域差はある?
カラスの鳴き声について「方言がある」と表現されることがあります。
ただし、
「この地域のカラスは必ずアワアワと鳴く」
といった単純な地域別の対応として考えるのは慎重になったほうがよいでしょう。
種類や個体、そのときの状況などによっても鳴き方は変わるため、変わった声をすぐに「地域特有の方言」と決めつけないことが大切です。
まとめ・「アワアワ」など変わった鳴き声は状況と一緒に考えよう
カラスといえば「カー、カー」という鳴き声がおなじみですが、実際にはさまざまな声を出します。
- 「アワアワ」
- 「アワワ」
- 「グルグル」
- 「カラカラ」
- 「グワッ」
など、いつもとは違う音に聞こえることがあっても不思議ではありません。
ただし、「アワアワ=求愛」「グルグル=機嫌がいい」といったように、擬音だけから意味を一つに決めつけないことが大切です。
カラスの種類や鳴いているときの行動、周囲に仲間がいるか、巣やヒナが近くにないかなども合わせて考えてみましょう。
また、「カッカッカッ」と小刻みに鳴きながらこちらを警戒していたり、頭上を何度も飛び回ったりしている場合は、近くに巣やヒナがいる可能性があります。
特に春から夏にかけては、親鳥が子育てをしていることもあります。
そんなときは無理に近づかず、静かに距離を取るのが安心です。
今度「アワアワ」という不思議な声を耳にしたら、
「カラスって、こんな声も出すんだ」
と少し離れたところから様子を見てみてくださいね。
いつも何気なく見ているカラスも、鳴き声や行動に注目すると、新しい一面が見えてくるかもしれません。
