「レシピに『ゴマを擂る』と書いてあるけれど、なんて読むの?」
「『擦る』や『磨る』と同じ“する”なの?」
「擂る」という漢字は、普段の生活ではあまり見かけないため、読み方だけでも迷ってしまいますよね。
「擂る」は「する」と読み、ゴマなどを押しつぶすようにして細かくすることを表します。
ただ、日本語には「擦る」「磨る」「摩る」「摺る」「刷る」など、同じ「する」と読む漢字がいくつもあります。
どれも「こする」というイメージがあるため、「どの漢字を使えばいいの?」と迷うのも無理はありません。
この記事でわかること
- 「擂る」の読み方と意味
- 「擂る」のわかりやすい言い換え
- 「すりつぶす」「すりおろす」との違い
- 「擦る」「磨る」「摩る」「摺る」「刷る」との使い分け
- 「擂る」を使った例文
- 「ゴマを擂る」と「ゴマをする」の違い
- 漢字とひらがなのどちらで書けばよいか
「する」と読む漢字の違いをすっきり整理したい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
「擂る」の読み方と意味とは?

まずは、「擂る」の読み方と基本的な意味から確認していきましょう。
「擂る」の読み方は「する」
「擂る」は、
擂る(する)
と読みます。
「擂」という漢字だけを見ると、なかなか「する」とは読めませんよね。
しかし、「擂り鉢(すりばち)」や「擂り粉木(すりこぎ)」と考えると、少しイメージしやすくなるのではないでしょうか。
料理をする方なら、ゴマなどをすり鉢でする場面を思い浮かべると覚えやすいでしょう。
「擂る」の意味を簡単にいうと?
「擂る」は、物を押しつけてこすり、細かく砕いたりつぶしたりすることを表す言葉です。
「擂る」=「すりつぶして細かくする」と覚えるとわかりやすいですよ。
たとえば、すり鉢にゴマを入れ、すりこぎを押しつけながら細かくしていく動作です。
単に表面をこするのではなく、こすりながら中身をつぶし、細かくしていくところが「擂る」のポイントです。
「擂る」はどんなときに使う?
「擂る」は、特に料理に関係する場面で見かけることがあります。
代表的なのが、
「ゴマを擂る」
という表現です。
たとえば、
- ゴマをすり鉢で細かく擂る
- 擂ったゴマを和え物に加える
といった使い方ができます。
ただし、「擂る」は日常的な文章では少し難しい漢字です。そのため、「する」とひらがなで書いたり、「すりつぶす」と言い換えたりすることも珍しくありません。
「擂る」の言い換え・類語は?
「擂る」という漢字は少し難しいので、文章を書くときに「もっとわかりやすい言葉にできないかな?」と思うこともありますよね。
文脈によっては、次のような表現に置き換えられます。
| 言い換え表現 | 意味・ニュアンス |
|---|---|
| すりつぶす | こすったり押したりしながら細かくする |
| 細かくする | 幅広い場面で使えるわかりやすい表現 |
| 砕く | 固いものなどを小さくする |
| 粉砕する | 細かく砕くことを強く表す |
| ペースト状にする | 食材などをなめらかな状態にする |
| すりおろす | おろし金などにこすりつけて細かくする |
この中で「擂る」に近く、一般の方にも伝わりやすいのは「すりつぶす」でしょう。
たとえば「ゴマを擂る」は、「ゴマをすりつぶす」と言い換えることができます。
ポイント:「すりおろす」や「砕く」は、使う道具や動作が異なることがあります。すべての場面で「擂る」と同じ意味になるわけではありません。
「擂る」と「すりつぶす」「すりおろす」の違い

「擂る」に似た表現として迷いやすいのが、「すりつぶす」と「すりおろす」です。
料理ではどちらもよく使いますが、動作には少し違いがあります。
「擂る」と「すりつぶす」の違い
「すりつぶす」は、物をこすったり押しつぶしたりして細かくすることです。
「擂る」の意味を日常的な言葉で説明するときにも使いやすい表現です。
たとえば、
「すり鉢でゴマを擂る」
を、
「すり鉢でゴマをすりつぶす」
と言い換えても、大まかな意味は伝わります。
「擂る」という漢字では読者に伝わりにくいと感じた場合は、「すりつぶす」に置き換えると文章が読みやすくなります。
「擂る」と「すりおろす」の違い
「すりおろす」は、大根やしょうがなどを、おろし金の表面にこすりつけて細かくするときによく使います。
たとえば、
- 大根をすりおろす
- しょうがをすりおろす
などですね。
一方の「擂る」は、すり鉢とすりこぎなどを使い、押したりこすったりしながら細かくするイメージです。
簡単に覚えるなら
● すり鉢でゴマを細かくする → 擂る・すりつぶす
● おろし金で大根を細かくする → すりおろす
「何を細かくするか」だけでなく、どんな方法で細かくしているのかを見ると区別しやすくなりますよ。
「擂る」「擦る」「磨る」「摩る」「摺る」「刷る」の違い

「する」と読む漢字には、いくつもの種類があります。
特に迷いやすいのが「擂る・擦る・磨る・摩る・摺る・刷る」です。
読み方が同じでも、それぞれ使われる場面が異なります。一つずつ見ていきましょう。
「擂る」押しつぶして細かくする
「擂る」は、物を押しつけてこすり、細かくすりつぶすことを表します。
代表的なのは「ゴマを擂る」です。
「すり鉢で細かくする」と覚えておくと、ほかの「する」と区別しやすいでしょう。
「擦る」物をこすり合わせる
「擦る」は、物と物を接触させてこする動作を表します。
- マッチを擦る
- 手を擦り合わせる
- 靴で床を擦る
「擂る」はこすることで対象を細かくするのに対し、「擦る」は物同士がこすれ合う動作そのものに注目した表現です。
「磨る」こすって磨く・減らす
「磨る」は、こすることによって磨いたり、すり減らしたりする意味で使われます。
また、「墨を磨る」という表現でも知られています。
擂る=細かくすりつぶす
磨る=こすって磨く・すり減らす
「摩る」こする・さする
「摩る」には、こするという意味があります。「摩」は「摩擦」という言葉にも使われていますね。
また、「摩る」は「さする」と読む場合もあります。
手などで体をなでるようにこする場面をイメージするとわかりやすいでしょう。
「摺る」こすって写す・版画などを作る
「摺る」は、物をこすり合わせることや、版を使って紙などに写すときに使われます。
身近な例としては、「版画を摺る」があります。
また、「摺り足」「摺り合わせる」などの言葉にも使われる漢字です。
「刷る」印刷する
「刷る」は、文字や絵などを印刷するときに使われます。
- 年賀状を刷る
- チラシを刷る
- 冊子を刷る
「印刷」の「刷」と同じ漢字なので、比較的覚えやすいですね。
【一覧表】「する」と読む漢字の違い
ここまでの違いを一覧表にまとめました。
| 漢字 | 主な意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| 擂る | 押しつぶして細かくする | ゴマを擂る |
| 擦る | 物をこすり合わせる | マッチを擦る |
| 磨る | こすって磨く・減らす | 墨を磨る |
| 摩る | こする・さする | 手で摩る |
| 摺る | こすって写す・版で写す | 版画を摺る |
| 刷る | 印刷する | チラシを刷る |
代表例で覚えると簡単です
ゴマ → 擂る
マッチ → 擦る
墨 → 磨る
版画 → 摺る
印刷物 → 刷る
「擂る」の使い方がわかる例文
「擂る」の意味がわかったところで、実際の文章ではどのように使われるのか見てみましょう。
料理で「擂る」を使う例文
- ゴマをすり鉢で丁寧に擂る。
- 擂ったゴマを和え物に加える。
- 香りが立つように、食べる直前にゴマを擂る。
- ゴマを細かく擂ってから調味料と混ぜる。
「すり鉢とすりこぎを使って細かくしている場面」をイメージすると自然です。
「擂る」と「擦る」で迷ったときは?
「する」という音だけを聞くと、「擂る」なのか「擦る」なのかわかりません。
そんなときは、その動作によって何をしているのかを考えてみましょう。
細かくすりつぶす → 「擂る」
物をこすり合わせる → 「擦る」
【シーン別】「する」はどの漢字を使えばいい?
ゴマを細かくするとき
すり鉢などを使ってゴマを細かくするなら、「ゴマを擂る」です。
マッチをこするとき
マッチを箱などにこすりつける場合は、「マッチを擦る」です。
墨を硯でするとき
書道で墨を硯にこすりつける場合は、「墨を磨る」と表記できます。
版画を作るとき
版から紙へ絵柄を写す場合は、「版画を摺る」と表現できます。
年賀状やチラシを印刷するとき
印刷物を作る場合は、「年賀状を刷る」「チラシを刷る」のように「刷る」を使います。
「ゴマを擂る」と「ゴマをする」はどちらが正しい?

ここまで読んで、「では『ゴマをする』とひらがなで書くのは間違いなの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。
一般向けの文章では、「ゴマをする」とひらがなで表記しても意味は伝わります。
漢字で動作を明確に示すなら「ゴマを擂る」とできますが、「擂」は読み慣れていない方も多い漢字です。
そのため、レシピや日常的な文章では、
- ゴマをする
- ゴマをすりつぶす
など、読み手に伝わりやすい表現を選ぶ方法もあります。
難しい漢字を使うことより、読む人に意味がきちんと伝わることを大切にしましょう。
慣用句の「ゴマをする」はどういう意味?
「ゴマをする」という言葉には、料理とはまったく違う意味もあります。
人間関係について使う「ゴマをする」は、相手に気に入られようとして機嫌を取ったり、へつらったりすることを表す慣用的な表現です。
たとえば、
「上司にゴマをする」
という場合、実際にゴマをすり鉢ですっているわけではありません。
相手からよく思われようとして、必要以上に褒めたり機嫌を取ったりする様子を表しています。
前後の文章を見て、料理について話しているのか、人に取り入ることについて話しているのかを判断するとよいでしょう。
「ゴマを擂る」と「ゴマをあたる」の違いは?
料理について調べていると、「ゴマをあたる」という表現を見かけることがあります。
料理の世界では、「する」という言葉を「あたる」と言い換えることがあります。
「する」には財産などを失う意味もあり、縁起を気にして反対の意味を持つ「あたる」を使うようになったと説明されることがあります。
そのため、
- すり鉢 → 「あたり鉢」
- すりこぎ → 「あたり棒」
と呼ぶこともあります。
家庭では「ゴマをする」「ゴマを擂る」で問題ありませんが、料理に関する言葉として「あたる」という表現もある、と知っておくとよいでしょう。
「擂る」は常用漢字?ひらがなで書いてもいい?

「擂」という字は、常用漢字表には含まれていません。
そのため、一般向けの文章では読みやすさを考えて、ひらがなにしたり、別の表現に置き換えたりすることがあります。
たとえば、
「ゴマを擂る」
を、
- ゴマをする
- ゴマをすりつぶす
と書けば、難しい漢字を知らない方にも伝わりやすくなります。
もちろん、「擂る」という表記そのものが使えないわけではありません。
正確な漢字を示しながら読み方も伝えたい場合は、「ゴマを擂(す)る」のように読みを添える方法もあります。
覚えておきたいポイント:
「正しい漢字を使うこと」だけでなく、「相手が読みやすいこと」も大切です。ブログやレシピ、SNSなどでは、読者に合わせて「する」「すりつぶす」を選んでもよいでしょう。
「擂る」についてよくある質問
「胡麻をする」の漢字は「擂る」で合っている?
ゴマをすり鉢などですりつぶして細かくする意味なら、「胡麻を擂る」と表記できます。
ただし、「擂」は常用漢字ではないため、一般向けの文章では「ごまをする」「ごまをすりつぶす」と書く方法もあります。
「擂る」と「擦る」の一番簡単な見分け方は?
「細かくすることが目的か、物をこする動作なのか」で考えるとわかりやすいでしょう。
ゴマを細かくするなら「擂る」、マッチなどをこするなら「擦る」です。
「擂る」のわかりやすい言い換えは?
文脈にもよりますが、「すりつぶす」がわかりやすい表現です。
「ゴマを擂る」が難しく感じられる場合は、「ゴマをすりつぶす」とすると意味が伝わりやすくなります。
「擂る」と「すりおろす」は同じ?
同じではありません。
「擂る」は、すり鉢などで押したりこすったりしながら細かくするイメージです。
「すりおろす」は、大根やしょうがなどをおろし金にこすりつけて細かくするときによく使います。
「擂る」は日常会話で使う?
「する」という言葉自体は日常でも使われますが、会話では漢字が見えないため、「擂る」「擦る」などの違いを意識する機会は少ないでしょう。
文章を書くときに、意味に応じて漢字を使い分けます。
「擂る」がスマホやパソコンで変換できないときは?
「する」だけでは、目的の「擂る」が変換候補に出てこないことがあります。
その場合は「ごまをする」「すりばち」など、関連する言葉から変換を試してみる方法があります。
一般的な文章であれば、「する」や「すりつぶす」と書いても十分意味は伝わります。
まとめ|「擂る」は「すりつぶして細かくする」と覚えると簡単
「擂る」は「する」と読み、物を押しつけてこすりながら、細かくすりつぶすことを表します。
代表的なのが「ゴマを擂る」です。
同じ「する」と読む漢字はいくつもありますが、代表例で覚えておくと区別しやすくなります。
- 擂る:ゴマを擂る
- 擦る:マッチを擦る
- 磨る:墨を磨る
- 摩る:手などで摩る
- 摺る:版画を摺る
- 刷る:チラシを刷る
特に「擂る」と「擦る」で迷ったときは、
細かくすりつぶす → 擂る
物をこすり合わせる → 擦る
と考えるとわかりやすいでしょう。
また、「擂」は常用漢字ではないため、日常的な文章では「する」「すりつぶす」と書く方法もあります。
難しい漢字を無理に使う必要はありません。意味の違いを知ったうえで、読む人にとってわかりやすい表現を選んでくださいね。
